頚椎症「それ、寝違えではありません」

「寝違えました、診ていただけますか?」

当院では日常的にみられる「寝違え」ですが、半数近くは「単純な寝違え」以外の原因が併発しています。
単純な寝違えとは、枕が変わった時や不自然な姿勢で寝ていた事が原因で、一時的に筋肉が過緊張を起こしたり、関節に炎症が起きて、起床時に首が一定方向に動かなくなり痛みます。
このケースは画像診断では異常がなく、数日もあれば完治します。

注意しなければならない首の痛みは、手に痺れが出ている、腕の感覚がおかしい、握力が落ちているなど頚椎の神経根が刺激されて起こる「頚椎症」と呼ばれる症状です。

頚椎症とは加齢的変化により、椎間板膨隆や骨のとげが形成され、首から腕に流れる神経の根を圧迫して起こります。このタイプを頚椎症性神経根症といいます。首だけでなく、肩の痛みや腕の痺れ、握力低下がみられ、大抵は以前から症状の自覚はあるので、寝違いとの判別は容易です。

頚椎症には頚椎症性脊髄症という脊髄が圧迫され起こるものもありますが、歩行障害や排せつ障害が起こる脊髄症タイプは速やかに専門の医療機関に紹介します。

頚椎症からなる首の症状は単純な寝違いとは異なり、完治まで時間がかかる場合があります。
変形した首の骨が元に戻ることはありませんが、首に負担をかけている原因を取り除くことで症状を無くしていきます。

頚椎症の施術

頚椎症を起こす方の特徴として、姿勢が悪い方、重い荷物をもつ肉体労働者、長時間のパソコン作業で首が前に倒れている方、スマフォのやりすぎでストレートネックを起こしている方など、特に中高齢以降の方によく見られます。
施術方法は頚椎に負担がかかる原因により異なりますが、共通していえるのは骨盤の傾き、肩甲骨の位置、胸郭の硬さ、上位頚椎の動きの悪さで、この部位を改善させることで症状が軽減する環境を作っていきます。

寝違いを繰り返す方、薬物療法で症状が軽減しない方、慢性的に首から腕に症状がある方は、治療方法のひとつとして骨格や筋肉異常を改善させるという施術法があります。
原因の見直しから始めていきましょう。

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痛みからの解放、テーマは「筋肉」

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